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No96.コンサルティング転職塾 #02(価値の源泉)

2009/01/31 11:51

1回は、「経営コンサルタントとはプロフェッショナルである」というMyth(多くの転職者、並びに転職希望者が抱く、コンサルティング業界に対する間違った・曖昧な理解)について、お伝えしました。

第2回のMythは、「コンサルタントの付加価値の源泉はである」です。すなわち、クライアントが高額なコンサルティング・フィーを支払うのは、自前よりも「質」の高いソリューションを得ることができるからだ、という理解です。
「質」ってそもそも何なのでしょうか。そして、本当に「質」だけなのでしょうか。

以下、「続きを読む」リンクをポチっとクリックして下さい。
(RSSリーダーなどで表示されない方は、サイトまで見に来てね。)

「質」による付加価値の創出というのは、なかなか難しいものです。なぜならば、ビジネスに対する理解、経験、人脈などにおいて、クライアントがコンサルタントを凌駕することが殆どだからです。しかしながら、コンサルタントという職業は「地頭力」が求められる、と就職活動のマニュアルに書いてあるが故なのか、クライアントよりも我々の方が上なんだと思い込んでいる、勘違いコンサルタントというのが時々います。

実際には、コンサルティングを依頼してくるクライアントの多くは、何となく自分で問題の核心を把握していたり、何となく打つべき施策を把握しています。コンサルタントは、この「何となく」をクライアントから上手く引き出し、構造化して解決策をまとめ、実行に移す支援をしているだけといっても過言ではありません。
料理に例えると、食材の良し悪しそのものは、クライアントによって決まります。コンサルタントは、食材の特性に応じて料理方法(例:輪切りにするか、千切りにするか)を選択したり、食材を組み合わせたり、スパイスを効かせて素材を引き立てる、料理人(スキル・ベースのプロフェッショナル)なのです。

この点を弁え、クライアントが持つ素材の良さを信じ、謙虚にクライアントに接することが、コンサルタントには求められます。

付加価値創出の2つ目のポイントは、「スピード」です。素人料理人であれば、いくら食材そのものが良くても、絶品料理に仕上げるまでに、試行錯誤の連続で、時間がかかってしまいます。
クライアントは、コンサルタントに高額なフィーを支払って、「時間」という対価を買っているのですが、意外とコンサルタントは「時間」という価値観を、クライアントの視点で理解・尊重できていないことが多いのです。

よくありがちな例を挙げましょう。メディア業界のクライアントが、売上アップのために新規顧客開拓をしたいと思い、コンサルタントを雇ったとします。クライアントは30代男性をターゲットに、ちょっと志向の変わったアニメをデジタル配信しようと思いつきます。
ところがコンサルタントが登場すると、決まってこう言うのです。

「なぜ30代男性がターゲットになるべきなのでしょうか?」
「貴社の強みおよび競合他社の動向を鑑み、アニメというプロダクトが最適なソリューションと言えるのでしょうか?」
「他に配信チャネルが考えうるのではないでしょうか?」


そしてコンサルタントは、セグメント分析やら、競合他社の動向分析など、分厚い資料を作り始めます。で、結局出た結論は、「30代男性をターゲットに、ちょっと志向の変わったアニメをデジタル配信」という、当初の仮説そのものだったりします。アップロードファイル

コンサルタントの強みでもあると同時に、弱みでもあるのが、「構造的・網羅的な思考力」(俗にMECEと呼ばれる思考方法)です。コンサルタントというのは、考えうるオプションを全て列挙し、シナリオを複数設定し、比較検討しないと気がすまない人種なのです(Aであることを証明するだけでなく、Bでないことを積極的に棄却しないと意思決定できない人種、とも換言できます)。
一方、クライアントは業界での経験が豊富ですから、直感的に非現実的なオプションを排除し、結論に到達するショートカットを持っています。このショートカットは、部外者のコンサルタントには理解・共感しがたく、結果、わざわざ回り道をしてしまいます。

タクシーに例えると、クライアントはスピードが出ない車を運転するベテランのタクシードライバー。コンサルタントはF1チャンピオン経験のあるのタクシードライバー。タクシーで目的地まで移動する際、確かにF1チャンピオンの方が走行スピードは速いのですが、土地勘がなく右左折を間違えて道に迷ってしまいます。ベテランのタクシードライバーの方が走行スピードは遅いけれど、渋滞回避のショートカットを知っていて、目的地に早く到着することができます。

中途入社でコンサルティング業界に入ると、周りがみんなF1レーサーに見え、自分も「速く」走れるようになりたい、と思うものです。が、スキル・ベースのプロフェッショナル(F1チャンピオンないしコンサルタント)は、「速く」走るスキルに磨きをかけるだけでなく、目的地に「早く」到着できるよう、バランス感覚が求められることを、お忘れなく。



コメント

  1. GO | URL | -

    Re: コンサルティング転職塾 #02(価値の源泉)

    連載ありがとうございます。
    新しい生活のリズムを取るのに四苦八苦しているところで、コメントを載せるのが遅くなりました。

    「当初の仮説そのもの」に至るってのは、面白いですね。
    ありえそうだなと思います。
    それに対して、「あ、自分の考えは正しかったんだ。データで実証できて、コンサルに頼んで良かった。」と思ってもらえるんであれば別なんですが。。。

  2. KicoS | URL | -

    GOさんに返信

    一部コンサルティング・ファームは、クライアント担当業界別に組織を細分化しています。この傾向は、コンサルティングというサービスがコモディティー化しつつある昨今、クライアントの業界特性にある程度精通しなければ、コンサルタントとして付加価値を出し辛くなっていることを象徴していますね。

    コンサルタントは、伝統的なお家芸(MECEな思考、データ分析、プレゼンテーション能力等)に加え、そのお家芸をどの局面で使うべきか判断する際に、「直観力」みたいなものが求められているのかもしれません。

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