No.スポンサーサイト

--/--/-- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

No92.Dog Ear #10(言葉と愛情)

2009/01/22 08:50

近、「言葉の力」について考えさせられる出来事がいくつかありました。日本語の「力」は、英語だとPowerでもあり、Forceでもあったりします。すなわち、言葉とは、人を感動させ、動かすPowerであると同時に、(自分を含む)人を傷つけたり、拘束するForceにもなりうるわけです。

以下、「続きを読む」リンクをポチっとクリックして下さい。
(RSSリーダーなどで表示されない方は、サイトまで見に来てね。)

1月20日は、Obama大統領の就任式(Inauguration)がありました。Obama大統領は、私の通うColumbia University卒です。大学のキャンパスには、特設の特大スクリーンが用意され、雪がちらつく中、1時間以上もの間、数千人規模の学校関係者が歴史的瞬間を見守りました。

Obama大統領の演説は、選挙キャンペーン時から着目されており、非常に印象的です。未曾有の金融恐慌に見舞われた昨今、一般市民は、平和・安全・希望を渇望し、Obama大統領の演説に聞き入ります。聴衆は、Obama大統領からPowerをもらおうとしているのです。
が、Inauguration(宣誓)で述べられた言葉一つ一つは、市民との契約と看做され、義務となるでしょう。ひとたびObama政権の政策が暗礁に乗り上げようものなら、市民はInaugurationの言葉をForceにして、批判を浴びせることでしょう。したがって、Obama大統領は、就任前夜遅くまでInaugurationの言葉を一字一句、慎重に選んだのではないでしょうか。Obama大統領が、20分近くにも亘る演説中、一度も原稿を見ることなく、全て暗記してInaugurationを遂行した姿に、彼の不退転の決意を垣間見たような気がします。

(註: 一般的に大統領や政府高官にはスピーチライターがついており、演説の原稿を代筆しています。Obama大統領も例外ではなく、スピーチライターをつけていますが、彼の演説の殆どは、自身の言葉で書いていると言われています。どの程度かは定かではありませんが。)

あまり小説を読まない私ですが、星新一は私の好きな作家の一人です。彼の小説の中に、「ボッコちゃん」という本があり、「月の光」というタイトルの短編小説が収録されています。Obama大統領の演説とはまた違った角度から、「言葉の力」について考えさせられる、短編小説です。「月の光」に登場する老人は、こう言います。

言葉など人間にはいらない。言葉がどれほど愛情を薄めているだろうか。人々は言葉なくして得た愛情を、必ず言葉によって失っている。


老人は、豪勢な屋敷に一人の少女を住まわせ、何不自由ない生活環境を与えました。が、老人は「言葉の力」を信じていませんでした。そのため、少女を屋敷の外界から隔離し、言葉を与えなかったのです。その結果、老人の死後、少女は己の感情を言葉で表現することができず、何も食べずに死んでしまいます。とても悲しい結末です。

たしかに言葉に頼りすぎると、愛情は薄れるのかもしれない。でも、言葉がないと、生きる術を失うことになる。そんなことを考えさせられる小説です。



言葉とコミュニケーションって、奥深いですね。「言葉の力」をうまく使いこなすのに、私にはまだまだ修行が必要なようです。



Dog Earとは?
英語で、書籍のページの端っこを折り曲げることを、Dog Earと言います。書籍や人とのコミュニケーションを通じて出会った、心に残る言葉を書き留めておくシリーズです。

Dog Earシリーズの過去履歴

第1回(経験): http://kicosj.blog118.fc2.com/blog-entry-18.html
第2回(資産と遺産): http://kicosj.blog118.fc2.com/blog-entry-20.html
第3回(情熱): http://kicosj.blog118.fc2.com/blog-entry-21.html
第4回(経営): http://kicosj.blog118.fc2.com/blog-entry-23.html
第5回(創造と逆境): http://kicosj.blog118.fc2.com/blog-entry-42.html
第6回(幸せな敗北者): http://kicosj.blog118.fc2.com/blog-entry-54.html
第7回(傾聴): http://kicosj.blog118.fc2.com/blog-entry-59.html
第8回(最後の授業): http://kicosj.blog118.fc2.com/blog-entry-63.html
第9回(抱負): http://kicosj.blog118.fc2.com/blog-entry-76.html





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://kicosj.blog118.fc2.com/tb.php/92-1ac5143c
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。