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No217.Ms. Doubt #12(起業家を増やす処方箋)

2014/08/04 14:05

名な経営者の寄稿に対し、久々に全面的に「えぇー、それは違うでしょ」と感じたことがあったので、今日は若輩ものの私が、思い切って私見を展開してみようかと思います。

『東大生は、今でも絶望的なほど保守的だ』
冨山和彦氏に聞く「起業家を増やす処方箋」
東洋経済オンライン 2014年7月14日
http://toyokeizai.net/articles/-/42537




違和感 #1: 相関関係と因果関係は、全くの別モノです。

【寄稿からの抜粋】

成長している国では、開業率も廃業率も日本より高い。成長戦略ということでは、開業率と廃業率の両方を高くするしかありません。廃業率が高いということは、じつは廃業しやすくする、すなわち起業で失敗したときのリスクを小さい社会システムにするということです。そうでなければ起業する人は増えません。


【私の反論】
そもそも、市場が成長しているから、その市場を狙って開業しようとする人が自然と集まってくるだけ。起業家マインドが高い人が多いから、結果として開業が増えて市場が成長する、という逆の因果関係とは言い難いです。

特に私が仕事をしているインドネシアは、国内だけでなく、私のように海外からも起業家や大企業が多く参入を試みているわけです。インドネシア国民の起業家マインドが高く、失敗しても平気だから、という社会システムがあるから、この国が成長しているわけではありません。

開業率が高い国は、同時に廃業率も高い。これも因果関係ではなく、単なる相関関係です。成長している市場を狙って、一発当てようとヤマっ気の強い人が、新興・成長市場にはウヨウヨいます。だいたい半年程度で撤退するケースが多いですね。

ですから、廃業率を上げる試みを日本が取ったからと言って、開業率が上がるとは到底思えません。



違和感 #2: ダサいサラリーマンから脱却できない、のではなく、脱却してやることがないだけでは?

【寄稿からの抜粋】

「新陳」のための政策に関しては、超高度な人材と大きな資金のいる本格技術系の領域を除けば、実はほとんどやっている。少なくとも大都会では十分すぎるくらいです。

ただ大きな問題が残されている。それは担い手が少ないということ。「ダサいサラリーマンなんかになるよりは、自分で会社を起こして、自分のその力で自分の人生切り開いていこう」と思う人間の数を増やすっていうのが、実は、最後にして最大の課題なんですね。


【私の反論】
起業のための国・地方自治体の助成体制は、たしかに非常に手厚いと感じています。が、多くは「こんな補助金出すぐらいなら、減税するか国の負債を減らしたら?」と思うほどに、使い勝手が悪いので、効果的な施策かと言えば、答えはNOです。

また、ダサいサラリーマンなんかより、自分で会社を興して・・・とありますが、大企業に務める多くのサラリーマンは、「自分で明日から何でも好きなことやっていいよ」と言われたら、むしろやることが分からず、不安になる人が殆どだと思います。どのような分野で起業したいのか、それを大企業に勤務しながらも、同時並行で考えられる仕組みが、日本には決定的に足りていない、というのが、私の実感ですね。

結果として、日本においてサラリーマンを辞められる人の殆どは、いわゆる「起業家」ではなく、単なる「自営業者」の場合が、非常に多い気がします。コンビニや大手飲食店のフランチャイジーを想像してもらえれば分かりやすいと思いますが、彼らは確かに中小企業として法人登記し、社長の肩書を持っていますが、起業家と分類するのは、とても違和感があります。



違和感 #3: 東大生の就職先をクソとこき下ろすより、合コンの仕方を教えた方が賢明では?

【寄稿からの抜粋】

僕が驚いたのは今年の東大卒業生の就職先です。いったいどこに就職したか。それをみると、もうハッキリ言って、言葉は悪いですがクソだなあと思った。

文系の就職先トップ3社がメガバンク3社なんですよ。
理系は1位が日立。

意外なほど保守的なんです。あるいは、まあとりあえずは大企業、ってなっちゃうわけです。
終身雇用の安定を目指して大企業に行くのであれば、それは非常にナンセンスだと思います。
最後は、社会で共有されている価値観の問題になるので、つまり教育なんですよ。


【私の反論】
新卒の大学生は、保守的・終身雇用志向だから、大企業を選んでいるのでしょうか?また、大企業に新卒で就職してしまうと、その後の起業家マインドが減ってしまうのでしょうか?

少なくとも私の周囲には、銀行出身・大手メーカー出身者で、海外案件をバリバリ手掛ける人や、新規事業を立ち上げている人は、他の業種出身と比較しても、出現率が高いように思います。こういう方々は決まって、大企業に就職した後も、辛酸をなめる経験や、何かもどかしさを感じ、業務時間外に、意識的に「社外」の人とつながって、次の展望を模索し続けた足跡が見受けられます。

ですので、東大出て、メガバンクや日立にいくのはクソ、と切り捨てるのには、大変短絡的で、違和感を覚えます。

むしろ今の学生さんは、生まれてこの方、何かが生活に決定的に欠如していて、危機感や使命感を覚えるような経験は、ほとんどないはず。ましてや、東大生を始めとした優秀な学生さんともなると、何でも器用にこなせてしまうが故に、職業の選択肢が無数にありすぎて、逆に自分がやりたいことを絞り込めないのだと思います。だからこそ、自分探しのために、事業領域の広い大企業を志向する確率が高いだけなのでは?

そして、ようやく職業人としてやりたい方向性が見えてくる20代後半~30代に入ると、今度は結婚の文字がチラつきます。ガリ勉ばかり、かつ男子比率の高い東大でモテなかった人でも、この時期になると、会社名を出すだけで合コンでモテちゃう人が出てくるわけですよ。こういうのに群がる女子が、日本には圧倒的に多い。そして、こういう女子はむしろ「大企業サラリーマンこそ、ステータス」と感じていて、結婚相手が「起業したい」と言うと、「給料下がるしステータス下がるからダサいので、やめてくれ」と大反対するわけです。

したがって、大学生をクソ扱いして、起業家マインドを教育しよう、というのは的外れに思えます。
むしろ大学生男子には、「社名だけでチヤホヤするアホ女子にだまされない方法」を、社会人になる前から教えるべきです。30代以降で「起業する」、と言い出しても、温かく、そして時に厳しく見守ってくれる伴侶を見つける重要性を説いた方が良いでしょう。

そして、起業は30代以降でもできるので、むしろ20代は修行の年代と捉えて、不安定な心の葛藤と戦う術を教えた方が良いと思います。
「サラリーマンはダサい」と教わってしまい、ヨチヨチ歩きで教育制度が充実していないノリだけのベンチャーに新卒で就職し、仕事の回し方を覚えられずに30代に突入してしまった悲惨な方々を、私はお見受けしたことがあります。本人たちは、「オレたちリスク取れる格好良いベンチャー」と思っているようなのですが、私の目には、大学のサークルの延長線上のノリでしか仕事ができず、大企業の経営者の前に連れて行くには恥ずかしい・痛々しいケースにしか映りません。


以上、新卒でいわゆる「大企業」に就職し、20代後半で起業を視野に入れて海外留学し、30代に入って半ば思い切りで起業した、一経験者の意見ということで。

皆さんは、どうお感じになられましたか?



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