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No174.名画の謎: ギリシャ神話篇

2011/10/24 09:42

段は、人に誘われない限り足が遠ざかってしまうのに、海外旅行では、かなりの確率で訪れる場所があります。それは、美術館。苦手とかではなくて、単に、美術鑑賞は海外旅行と同じくらい「非日常」な行為なんだと思います。
美術館の中でも、特に縁遠いのが、宗教・神話を扱ったセクション。ほぼ素通りして、近代・現代画か、彫刻のセクションに時間を使います。昔の富豪たちは、なんでわざわざお抱え画家に、宗教・神話を題材に画を描かせたのだろうか、と不思議でなりませんでした。

が、ようやくその謎が解けました。『中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇』、すごいです。筆者 中野京子さんの深い造詣と、筆力が加わると、今までスルーしてきた名画を、こんなにも奥深く読み解けるのか、と驚愕してしまいます。

富豪たちが神話を好んだのは、きっと彼らにとっての絵画は「観るもの」ではなく、「語るためのもの」だったからだ、というのが、この本を通じて得た、私なりの気づきです。注文主の富豪が屋敷に絵画を飾り、来訪者がそれを観て、あーでもない、こーでもない、と神話の解釈に話の花を咲かせたのでしょう。神話の多くは、論理的にぶっ飛んでいて、曖昧な記述も多い。だからこそ、読み手にとっていか様にでも解釈できる、遊びの隙間がある。神話をテーマにした絵画は、知性と芸術性を兼ね備えた、社交のツールなんですね。

芸術の秋のこの季節に、是非手に取ってみてほしい、おススメの一冊です。



蛇足ですが、未だ不可解な点が一つだけ残っています。なぜ、神話や宗教を扱った絵画に登場する人物たちは、お互いに視線を合わせないのでしょう?あの独特の視線を見ると、いつも「行っちゃってるヒト」に思えて、何とも近寄りがたい雰囲気を感じるのは、私だけでしょうか?


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