震災から2カ月半が経過しました。余震も随分と収まり、歩みはゆっくりしているとは言え、多くの日本人が3.11以前のモードに回帰しつつあるように思えます。
が、その表層的な「行動」の回帰の一方で、人々の根底に流れる「本質的な価値観」に変化の兆しが表れているのではないか。
そんな仮説から始まった、全国5000人意識調査「消費者はこう変わる」。2011年6月6日号日経ビジネスの特集に、日経ビジネス社とThe Boston Consulting Groupの共同調査が掲載されています。また雑誌に連動して、6月7日より3回に分けて、紙上ではカバーしきれなかった調査の詳細データを添え、BCGのパートナーが
日経ビジネスオンライン(Web版)に寄稿することになりました。

(もしかしたらURLが切れてしまうかもしれないので、その場合は「消費のニューノーマル」「ボストンコンサルティンググループ」のキーワードで検索してみて下さい。)
私もこの共同調査チームの一員として参画しましたので、ご案内させて頂きます。
この共同調査の内容とは、全く関係ありませんが雑感を。
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私の脳裏に別々に記憶されていた3つのドットが、今回の調査を契機に、1つの線につながったような感覚を覚えました。
一つ目は、「
Value System」。
MBA時代にしばしば耳にしたこの表現。毎日が新しい価値観との遭遇だったため、Value Systemを問うというのが、まるで日課になっていました。卒業後、そんな日課をすっかり忘れていましたが、今回改めて自己の価値観を見つめなおすきっかけとなりました。
二つ目は、「
潮目を読め」。
これは、前職のAccenture時代に、上司が釣りになぞらえて提唱していた言葉です。穏やかな大海に帆を進め、糸を垂らしても、なかなか魚はひっかからない。ただし、よくよく大海を眺めていると、ある時潮目が変わる瞬間に遭遇する。その瞬間を捕らえられなければ、魚は釣れないという話。
三つめは、「
意味は見出すものではなく、創造するもの」。
とある犯罪ドラマの一説で、参考までに原語はこちら。
I don't believe in random. You only think there's no meaning because you're looking for it. But meaning isn't something you FIND. It's something you GIVE.東日本大震災(および二次・三次災害)に、何か意味を見出そうとする。すると、偶然のいたずら(ランダム)の無慈悲さと、そしてその空虚さに、心が引き裂かれる思いがする。
が、起こってしまった過去の震災から意味を見出すのではなく、むしろ震災を通じて、新しい意味を「創造」していく。換言すれば、Find FROMではなく、Give TOというように、行為の方向性を180度逆転させてみる。そうすると、潮目を「読む」だけでなく、潮目を「変える」ことができるのかもしれない。こう捉えると、少し前向きな心持ちになれる。
私の中では、新たな潮目というか、Value Systemが生まれつつあるわけで、その芽吹きをいかに育て、根付かせていくかが今後の課題となりそうです。
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